近年、中古物件の購入数は、右肩上がりとなっており、費用を抑えながら理想の住まいを手に入れる方法として非常に注目されています。しかし、新築物件とは異なり、中古物件の購入には注意点が多く存在します。こちらでは中古物件購入の際に押さえておくべきポイントを、詳しく解説します。ぜひ中古物件を検討する際の参考にしてください。
1. 物件の状態をしっかりチェック
中古物件を購入する際には、必ず自分の目で建物の状態を十分に確認することが重要です。以下のポイントを細かくチェックしましょう。
外壁や屋根の状態
外壁や屋根の状態をまずは外から値チェックしましょう。ひび割れや錆び、穴などがあると、雨水が侵入します。これにより、壁内部の木材の腐食やカビの発生が進行し、建物の構造が弱体化します。特に築年数が古い物件では、外壁や屋根の劣化が進んでいることが多く簡単には見えないところにこのような問題があることがあります。専門家による検査を依頼することをおすすめします。
内部の劣化
建物の内部の劣化が進行していると、安全性が低下するので危険性が高まり、生活に大きな影響があります。まずは壁や床、天井にカビやシミがないか、窓やドアの開閉がスムーズかどうかを確認しましょう。また床下や天井裏の状態もチェックし、シロアリ被害や腐食がないか確認します。これらが進行していると追々高い修繕費用がかかります。
配管や電気設備
水回りや電気設備などのライフライン関係が正常に機能しているかをチェックします。特に古い物件は配管や電気配線の劣化が進んでいる可能性があります。給排水管や電気配線の交換が必要になる場合もありますので、その費用を予め予算に見込んでおくことが大切です。
2. 周辺環境の確認
今後の生活を考えると、物件の立地や周辺環境も非常に大切な要素です。以下の点を考慮に入れて、物件選びを進めましょう。
交通の利便性
最寄り駅やバス停までの距離、通勤通学の便を確認しましょう。自転車や車での移動も考慮し、主要な交通ルートの渋滞状況も調べると良いでしょう。またその場合、道路の広さや子どもたちの通学路か否かも調べておくことも大切です。自転車や車を普段から利用することを考えている場合、物件の駐輪場、駐車場の有無もチェックしましょう。
生活環境
スーパーや病院、学校などの生活施設が近くにあるかをチェックします。これらが物件からどの程度の距離の場所にあるかで、生活の利便性が変わります。一度実際に物件からそれらの施設まで行ってみて、生活をイメージしてみるのもよいでしょう。また、公園やスポーツ施設、図書館などの公共施設が近くにあると、生活の質が向上します。
騒音や治安
騒音や治安は、その地域で安心して生活できるかどうかの肝となります。特に物件周辺の騒音レベルや治安状況を確認し、安心して暮らせる環境かどうかを判断しましょう。大切なのは、昼間だけでなく夜間の騒音も確認することです。街の様子は昼と夜で全く違う場合があります。物件周辺には街灯が十分にあり、安全に家まで帰れる明るさであることや、防犯カメラの設置状況も見ておくと安心です。
3. 法的な問題の確認
中古物件には法的な問題が絡むことがあります。以下の点に注意して調査を行いましょう。
権利関係
物件の所有権や土地の権利関係が明確かを確認します。これを確認できない場合は、詐欺や不正な取引の可能性があります。後々大きな問題にならないように、登記簿謄本を取り寄せ、所有権や抵当権の設定状況を確認することが重要です。また、過去に物件に関してトラブルがなかったかなどもチェックしましょう。
違法建築
建物が建築基準法に適合しているか、違法建築でないかを、物件の建築確認申請書と検査済証を用いてチェックします。これらの書類は、建築基準法に基づいて適正に建築されたことを証明するものです。違法建築の場合、将来的に改修や撤去が必要になる可能性があります。
再建築不可物件
再建築が可能かどうかを確認します。法務局で登記簿謄本を取得したり、役所の建築指導課で直接確認するなどすると、その物件が再建築不可物件かどうかわかることがあります。再建築不可物件は将来的な価値が低くなる可能性があり、売却時にも不利になることがあります。
4. リフォームの必要性
中古物件ではリフォームが必要な場合があります。リフォーム費用を見積もり、購入後の総費用を把握しておくことが重要です。
リフォームの範囲
どの部分をリフォームする必要があるか、全体の費用を見積もりましょう。内装、キッチンやバスルームの改装、設備の交換などを検討します。一部だけの交換なのか、全体の変更が必要なのか、などリフォームの手をどこまで広げるかは予算に大きく影響します。またリフォーム業者に相談する場合、相談しているうちにどんどんオプションがついて費用がかさむ場合があります。まずはどの点が気になるのか、問題点を絞って相談し見積もりを出しましょう。
業者の選定
信頼できるリフォーム業者を選びましょう。いくつかの業者から見積もりを複数取ることで適正な価格でリフォームを行います。また、安いから悪い、高いから良いというものでもありません。過去の施工事例や口コミを参考にして、安心して任せられる業者を選びましょう。
5. 物件の価格評価
気になる中古物件の価格が適正かどうかを判断するためには、周辺の相場を確認することが必要です。
相場の確認
周辺地域の同様の物件価格と比較し、適正価格かを判断します。極端に値段に差がある場合には、その値段の差にどんな理由があるのかを知っておくことが大切です。近隣の物件の売買履歴や不動産サイトの情報を参考にすると良いでしょう。
価格交渉の余地
価格交渉が可能な場合もあるため、不動産業者と相談してみましょう。特に築年数が古い物件や長期間売れ残っている物件では交渉の余地があることが多く、所有者との相談で格安で物件を手に入れることが可能な場合があります。
6. 資金計画とローンの検討
中古住宅購入の注意点として、資金計画とローンも重要なポイントです。
頭金と諸費用
頭金や諸費用(登記費用、仲介手数料、リフォーム費用など)を含めた総予算を立てましょう。抑えられるところはしっかり抑え、掛けるところにはしっかりつぎ込む。その上で予算内に収まるかというのをしっかり考えます。また、自治体によっては、中古物件購入やそのリフォームに関しての補助金を提供している場合があります。これらの制度をチェックし、フルで活用しましょう。
ローンの選択
金融機関が提供する住宅ローンの種類や金利、返済期間などを比較し、自分に最適なローンを選びます。固定金利型、変動金利型、フラット35など、それぞれの特徴を理解して選択しましょう。
7. 不動産業者の選定
信頼できる不動産業者の選定も、成功する中古物件購入の鍵です。
実績と評判
実績が豊富で、評判の良い不動産業者を選びましょう。過去の取引事例や顧客の口コミを確認することが重要です。その業者のウェブサイトではなく、別の口コミサイトでチェックすると利用者のリアルな声を知ることができます。
サポート体制
購入前はもちろん、購入後のサポート体制も確認しましょう。トラブルが発生した際に迅速に対応してくれる業者を選ぶと安心です。
まとめ
いかがでしたか?中古物件購入は、新築物件に比べて費用を抑えられる一方で、注意すべき点が多くあります。物件の状態や周辺環境、法的な問題、リフォームの必要性、価格評価、資金計画、そして信頼できる不動産業者の選定など、様々な観点からしっかりとチェックをしっかり行いましょう。これらの中古物件チェックポイントを押さえた上で物件を選択し、理想の住まいを手に入れましょう。