「マイホームを持ちたい。でも金額は高そうだし、理想のマイホーム購入はちょっと難しいかも」そんな風に思っている方は、実は少なくないのかもしれません。
いま、そんなこれまでの常識を大きく覆す、次世代住宅建設技術を用いた家づくりがされています。それが「3Dプリンター住宅」です。3Dプリンターを用いた住宅建設は、従来の建設方法と比較してコストの削減ができ、工期は短縮されるなど多くの利点を持っています。
今後の住宅選びの選択肢に必ず入るであろう、この3Dプリンター住宅の詳細とその展望についてご紹介します。
3Dプリンター住宅とは
3Dプリンター住宅とは、3Dプリント技術を活用して建設される住宅のことです。建築用3Dプリンターが、予めコンピューターに入力した情報を元に、住宅の構造体を形成します。この技術により、従来の建設方法では困難だった複雑な形状の建物も、簡単かつ迅速に作り上げることが可能となりました。
建築用3Dプリンターが世界で最初に販売されたのは2019年のこと。ヨーロッパではすでに3Dプリンター住宅が実際に販売されています。平屋のみならず2階建ての住宅もあり、通常の住宅と変わらずに人々が暮らしています。さまざまな需要にもこたえられる最新技術で、現在どんどん3Dプリンター住宅の数は増加しています。
3Dプリンター住宅の利点
3Dプリンター住宅が日本で最初に作られてから、実際にまだそんなに時間が経っていないにも関わらず、これほどまでに多くの人が興味を持つのには利点がいくつもあるからです。
コスト削減
この住宅の最大の利点はコストの削減です。この技術では、従来の建築方法と比較して材料の無駄がなく、人件費が大きく削減できるため、全体的に大きくコストを削減することができます。日本で実際に販売されている住宅では、小さいもので330万円で購入が可能です。そして一般的に住宅を購入する場合、働ける期間はずっと住宅ローンを返し続けなければならない、という場合がほとんどです。しかし、この3Dプリンター住宅であれば、低価で家の購入ができるので、ローン負担をほぼ一生背負い続ける必要がありません。浮いた金額で旅行に行ったりレオカジノで遊んだり、人生の選択肢が増えます。
短い工期
一般的な住宅建築の工期は、約4~5カ月ほどと言われています。しかし、3Dプリンター住宅なら最短2日で完成します。もちろんの家の規模にもよりますが、それでも従来の速さと比べて圧倒的な速さで家が完成するので、着工さえしてしまえばその家に住めるようになるまではあっという間です。
難しいデザインの実現
3Dプリントの技術は、プログラミングに沿ってコンピューターが作成します。これまでは実現が難しかったデザインの建築も、この技術を使えば可能となります。自由度がより高くなった建築であれば、自分の理想のマイホームを形にしやすくなります。日本で実際に売られているものは1階平屋造りですが、今後はヨーロッパ同様に2階建てなど、さらにその種類を増やしていくことでしょう。
3Dプリンター住宅が日本で求められている背景
現在、日本で3Dプリンター住宅を作成している企業には、たくさんの問合せが入っているようです。利点はたくさんありますが、なぜこれほどまでに求められているのかを見てみましょう。
高齢者への賃貸問題
近年、社会の高齢化が進む中で問題になっているのは、定年をむかえた方々が家を借りることができないという問題です。ずっと賃貸に住めば良いと思っていたのに、家が借りられないという状況になり今後どこに住めばいいんだ、と行き場をなくした方々が、この住宅の購入を検討しています。賃貸を払い続けるよりも安価で収まる可能性が高くなっています。
住宅の高額リノベーション
一軒家を購入し、ローンも払い終わった方でも、実はまだまだ家に関しての心配は尽きません。年をとるに伴いバリアフリー化が必要になったり、家の老朽化が進んでしまえばその補強を行わなければなりません。その費用は想像以上に高額のため、3Dプリンター住宅に完全に立て替えたいという方が増えているそうです。
環境への配慮
地球温暖化や環境問題など、現在の地球環境は凄まじい勢いで変化していっています。地球環境を快適に守るためにも、エコや保全活動に興味を持つ人が増えています。その点で、3Dプリンター住宅は、材料の無駄がない建築を可能にします。それは予めシステム入力した情報に基づいた材料の用意が可能だからです。さらに再生可能な材料を積極的に使用することで環境に優しい家づくりを実現します。こういった点でも、多くの人から注目されているようです。
3Dプリンター住宅の問題点
日本はさまざまな災害が発生する島国です。全国的に地震や台風などの自然災害が多く、その建築基準は非常に厳しいものです。3Dプリンターには、この日本の建築基準の観点から見ると、まだまだ課題が多いのが現状です。
建築基準法では、基本的には木造や鉄筋コンクリートなどを用いた建築に関しての記載となっており、3Dプリンター建築に関してはまだその基準が制定されていません。これは建築基準法上でモルタルの強度が定められていないからです。国土交通省から出された発表によれば、建築用3Dプリンターに使用するモルタルは、その使用素材に関して申請を行い、大臣認定を取得した場合のみ使用ができるようになります。早くこのモルタルに関しての強度基準が制定され、安全性の高い建築素材として使用できるようになることを願ってやみません。
まとめ
3Dプリンター住宅には、まだまだ解決すべき課題も存在します。しかし、これらの課題が解決されれば、3Dプリンター住宅はさらに普及し、未来の住宅建設の主要な選択肢となることでしょう。多くの利点と将来の可能性を持ち、今後の住宅選びにおいて重要な選択肢となるこの技術が、より多くの人々に快適で経済的な住まいを提供する日はもうすぐそこですす。その日に期待して今後のさらなる進展を楽しみにしましょう。